呉市は、広島県の南西部に位置する中核市です。瀬戸内海に面しているため、海の美しい景色が楽しめるほか、かつての軍港としての歴史を感じたり学んだりできる風景や施設があり、さまざまな映画のロケ地としても知られるなど、人気の観光地です。
広島に観光に来られる方は呉にも立ち寄りたいという方が少なくないと思いますが、広島市内からは少し離れているので、迷われるのがアクセスのことではないでしょうか。
そこで、広島駅から呉駅へのアクセスについてまとめましたので、参考にしてみてください。
電車(JR呉線)
呉駅はJR呉線の駅で、広島駅から乗り換えなしで行くことができます。
各駅停車の電車だと45分ほどかかりますが、30分に1本ほどの頻度で「快速安芸路ライナー」という快速電車があり、これに乗れば30~35分で呉まで行くことができます。
広島駅から呉駅への移動は、時間的にも料金的にもこのルートが一番効率的でスムーズです。
呉線は海岸線に沿って走っているので、車窓から瀬戸内海の景色を楽しめるという点でもおすすめです。
広島駅 → <JR呉線> → 呉駅
所要時間 約30~35分(乗り換え時間・待ち時間は考慮せず)
料金 510円
観光列車
尾道へのアクセスのページでも紹介しましたが、広島・尾道間を走るetSETOra(エトセトラ)という観光列車があります。
エトセトラは呉線経由で運行されており、呉線も停車駅の1つになっています。
瀬戸内海の多島美を楽しむという意味では終点の尾道まで乗車するのがベストですが(景色のハイライトは忠海あたりです)、呉駅までの区間でも十分に景色は堪能できます。何よりも、観光列車はそれ自体が1つの観光になるので、エトセトラで移動時間を特別な時間に演出してみるのもいいのではないでしょうか。
運行日は月・金・土日祝で、時刻表は以下の通り。
往路と復路で1日1本の運行で、所要時間は通常の各駅停車の電車と同じ程度かやや長くかかるくらいです。
エトセトラは全席指定で、乗車券の他に普通列車指定席グリーン券が必要となり、広島駅から呉駅まで乗車した場合の料金は、おとな 1,290円(特急券780円+乗車券510円)、こども 1,030円(特急券780円+乗車券250円)です。
通常の電車に比べれば特急券の分だけ料金が高くなり、また曜日と時間が限定されますが、可能であれば、旅の思い出として、ぜひおすすめしたいルートです。
広島駅→<観光列車>→呉駅
所要時間 45分~1時間
料金 1,290円
高速バス
広島・呉間では、広島電鉄とJRが「クレアライン」という高速バスを運行しています。
現在、平日は63往復とかなり豊富に便があるのが魅力です。
所要時間は約46分、料金は広島バスセンターから呉駅前まで乗車する場合で780円です。
そう、お気づきでしょうか。このバスは広島駅発ではなく、広島バスセンター発です。また、平和記念公園近くの「本通り」や「中電前」のバス停から乗車することもできます。
バスセンターは、広島駅から2kmほど離れています。徒歩だと30分くらいかかるため、広島駅が起点の場合は、路面電車か路線バスでいったん広島バスセンターに向かうことになります。
広島駅から広島バスセンターまで、路面電車だと約15分、バスだと約13分かかります。料金はどちらも220円です。
広島駅を起点にされる場合は、広島バスセンターまで行く時間とお金がかかりますが、逆に言えば、バスセンターがある紙屋町周辺や平和記念公園周辺を起点にされる方は、電車に乗るために広島駅まで行く必要がなく、ドアツードアで呉まで行くことのできる高速バスが便利かと思います。
クレアラインの詳細については、運行会社の公式サイトを参照してください。
▷ 広島電鉄株式会社 クレアライン線(広島呉道路経由)
広島駅 →<路面電車または路線バス>→ 広島バスセンター →<高速バス>→ 呉駅
所要時間 約1時間(乗り換え時間・待ち時間は考慮せず)
料金 1,000円
フェリー
公共交通機関といえば、普通は電車とバスくらいのものですが、広島・呉間は航路でも移動が可能です。海に面した町ならではですよね!
広島駅が起点の場合は広島港まで行かなければいけませんが、広島港からは、広島港~呉港~松山港を結ぶ船が出ています。このルートで運行されている船は、「クルーズフェリー」というカーフェリーと「スーパージェット」という高速船の2種類です。
広島港から呉港までだと、クルーズフェリーの場合は45分、スーパージェットの場合は23分かかり、料金はそれぞれ片道1,000円(小人500円)と2,500円(小人1,250円)です。
松山まで乗車する場合はもっと大幅に所要時間が違ってくるのでスーパージェットもよいのですが、呉までだと所要時間の差のわりに料金の差が大きくなります。また、スーパージェットは呉港には止まらない広島・松山間の直行便も多いので、本数がクルーズフェリーの半分ほどしかありません。そのため、広島・呉間の移動には、スーパージェットよりもクルーズフェリーがおすすめです。
参考までにクルーズフェリーの時刻表を載せておきます。
意外と本数も充実しているのではないでしょうか。
ちなみに、上の画像の船は、2019年に就航した「シーパセオ」という船です。2020年には「シーパセオ2」も就航しました。写真で分かる通り、デザインにもこだわった船ですが、船内にも快適に過ごせるようにさまざまな工夫が凝らされているので、海の景色を楽しみながら、ゆったりとした移動時間を楽しめるかと思います。
船上から景色を眺めるのは最高の瀬戸内海観光になるので、一押しなのですが、このフェリーでの移動の難点は、広島港まで行かなければいけないということ。
呉港が呉駅から徒歩すぐの場所にある一方、広島駅と広島港は6kmほど離れています。広島港までは路面電車で約35分、220円かかります。
広島港までの移動や乗船までの待ち時間も含めると、効率的な移動ルートではありませんが、船旅はそれ自体が魅力的な体験なので、時間に余裕がある方や船上からの景色を楽しみたいという方は、ちょっと珍しいフェリーでの移動を検討されてみてはいかがでしょうか。
フェリーの詳細については、運行会社の公式サイトを参照してください。
▷ 瀬戸内海汽船
広島駅 →<路面電車>→ 広島港 →<クルーズフェリー>→ 呉港(呉駅)
所要時間 約1時間20分(乗り換え時間・待ち時間は考慮せず)
料金 1,220円
まとめ
広島駅から呉駅までのアクセスについて、電車、観光列車、バス、フェリーでの行き方と所要時間・料金を紹介しました。
広島駅・呉駅間の移動は、時間的にも料金的にも電車(JR呉線)を利用するのが最も効率的です。
ただし、広島バスセンターからは豊富な便数で呉行きの高速バスが運行されているので、紙屋町周辺や平和記念公園周辺など、バスセンターに近い場所を起点とされる場合は、高速バスでもよいかもしれません。
また、コスパや効率よりも旅を充実させることを重視したいなら、観光列車やフェリーという手もあります。
広島・呉間の移動は選択肢が多いので、この記事を参考に、納得のいく移動手段を見つけていただければ幸いです。
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