広島県東部、広島市と岡山市のほぼ中間に位置する尾道市。
坂の街、文学の街、映画の街、猫の街など、さまざまな通称で親しまれる尾道は、美しい景色や情緒あふれる町並みを求めて多くの人が訪れる人気の観光スポットになっています。
広島に観光に来られる方は尾道にも立ち寄りたいという方が少なくないと思いますが、広島市内からは少し離れているので、迷われるのがアクセスのことではないでしょうか。
そこで、広島駅から尾道駅へのアクセスについてまとめましたので、参考にしてみてください。
新幹線を利用
尾道観光の拠点となるのは尾道駅ですが、尾道駅は山陽本線(在来線)の駅で、最寄りの新幹線の駅は「新尾道駅」になります。同じ地名が入っている駅でも在来線と新幹線の駅が接続していないケースがたまにありますが、尾道がまさにそれで、尾道駅と新尾道駅は場所が違うため(4kmほど離れています)、注意が必要です。
広島駅→<新幹線>→新尾道駅→<タクシーまたは路線バス>→尾道駅
まずは、新幹線で新尾道駅に行き、そこからタクシーまたは路線バスで尾道駅に行く場合です。
新尾道駅に止まる新幹線は、1日2本の「ひかり」を除き、基本的には「こだま」のみとなります。「こだま」は本数が少ないので、早朝と夜は1時間に2本ある時間帯もありますが、それ以外の昼間は1時間に1本です。
広島駅から新尾道駅までの所要時間は30~40分、料金は3,280円(乗車券1,520円+自由席特急券1,760円)です。
新尾道駅から尾道駅には、タクシーか路線バスで移動することになります。
タクシーだと、所要時間10分程度、運賃1,000円ほど。
路線バスだと、所要時間15分程度、運賃190円。
路線バスは、おのみちバスと中国バスが運行しており、新尾道駅と尾道駅間はどちらも複数の路線が走っているので、本数は割と充実しています(どちらも昼間は各時間2~3本ほど)。
時刻表など、詳しくは両社のホームページを参照してください。
▷ おのみちバス公式サイト
▷ 中国バス公式サイト
まとめると、以下の通りです。
広島駅→<新幹線>→新尾道駅→<タクシー>→尾道駅
所要時間 約40~50分(乗り換え時間・待ち時間は考慮せず)
料金 約4,280円
広島駅→<新幹線>→新尾道駅→<路線バス>→尾道駅
所要時間 約45~55分(乗り換え時間・待ち時間は考慮せず)
料金 約3,470円
広島駅→<新幹線>→福山駅→<山陽本線>→尾道駅
新尾道駅を利用する場合、本数が少ないことや在来線に接続していないことなど、せっかくの新幹線なのに不便さが否めませんが、新幹線の降車駅を変えれば、尾道駅までぐんと便利に行くことができます。つまり、新尾道駅の1つ先の駅である「福山駅」まで新幹線で行くという方法です。
福山駅は、すべての新幹線が止まるわけではありませんが、「こだま」だけでななく「のぞみ」や「さくら」も止まるため、新尾道駅よりもかなり本数が多く、福山駅に止まる新幹線は、ほとんどの時間帯で1時間に4本ほどあります。「のぞみ」や「さくら」なら、所要時間も22~23分です。
さらに、福山駅は新幹線と在来線が接続しており、福山駅からは山陽本線(在来線)で乗り換えなしで尾道まで行くことができます。福山駅から尾道駅までの所要時間は、約20分です。
ただし、いったん尾道を通り越して引き返すことになるため、残念ながら、新尾道駅を利用する場合に比べて料金は高くなります。乗車券2,310円+自由席特急券2,530円の合計4,840円です。
多少お金がかかってもサクッと移動したい!という方には、このルートがおすすめです。
広島駅→<新幹線>→福山駅→<山陽本線>→尾道駅
所要時間 約42~43分(乗り換え時間・待ち時間は考慮せず)
料金 4,840円
広島駅→<新幹線>→三原駅→<山陽本線>→尾道駅
一方、新尾道駅の1つ先の福山駅を利用するのではなく、新尾道駅の1つ手前の駅である「三原駅」を利用するという方法もあります。
三原駅も新幹線と在来線が接続している駅なので、新幹線から在来線である山陽本線に乗り換えが可能です。
ただし、新幹線の三原駅は、新尾道駅と同じくほぼ「こだま」しか止まらない駅なので、本数が少ないです。昼間は基本的に1時間に1本です。
所要時間は、広島駅から三原駅までの新幹線での移動が25分、三原駅から尾道駅までの在来線での移動が11~12分です。とはいえ、これはあくまで乗車時間で、三原駅から尾道駅までは乗り換えなしで行ける電車もありますが、途中の糸崎駅で乗り換えが必要になる場合がほとんどで、間に待ち時間が生じます。また、在来線の出発時間が新幹線の到着時間に合わせて設定されているわけではないので、三原駅の到着時間によっては新幹線から在来線への乗り継ぎにも時間を多めにみておいた方がよいでしょう。
料金については、新尾道駅や福山駅を利用する場合に比べて新幹線の利用区間が短くなるので、安くなります。乗車券1,520円+自由席特急券990円の合計2,510円です。
このように、ほとほどに短時間で安く移動できるルートではありますが、事前に新幹線と在来線の時間をきちんと確認しておくことが必要です。
広島駅→<新幹線>→三原駅→<山陽本線>→尾道駅
所要時間 約36~37分(乗り換え時間・待ち時間は考慮せず)
料金 2,510円
観光列車を利用
特に観光で訪れる方にぜひおすすめしたいのが、観光列車を利用するという方法です。
広島・尾道間では、etSETOra(エトセトラ)という観光列車が運行されています。
広島観光の見どころの1つは瀬戸内の景色ですが、呉線経由で運行されるエトセトラでは、まさに瀬戸内の多島美を堪能することができます。
景色の他にも、列車の内装も素敵ですし、限定の豪華なスイーツの販売があったりバーカウンターでカクテルをいただけたりと、観光列車ならではのお楽しみが詰まっています。
運行日は月・金・土日祝で、時刻表は以下の通り。
往路と復路で1日1本ずつしかなく、広島から尾道までは3時間ほどかかります。
エトセトラは全席指定で、乗車券の他に普通列車指定席グリーン券が必要となり、広島駅から尾道駅まで乗車した場合の料金は、おとな2,520円、こども1,760円です。
曜日と時間が限定され、時間もかかりますが、スケジュールが許せば、移動自体が思い出となる観光列車での移動を旅程に組み込んでみるのもよいかもしれません。
エトセトラの詳細については、公式サイトを参照してください。
▷ JRおでかけネット etSETOra(エトセトラ)
広島駅→<観光列車>→尾道駅
所要時間 3時間
料金 2,520円
在来線を利用
ここまで新幹線や観光列車など、乗車券の他に特別料金が必要な方法をご紹介してきましたが、できるだけ安く移動したいという場合は、在来線での移動も可能です。
広島から尾道までは、山陽本線を利用するのが一般的なルートです。広島駅から糸崎行きに乗り、糸崎駅で福山行きや岡山行きに乗り換えましょう。
広島駅から糸崎駅までは約1時間20分、糸崎駅から尾道駅までは約7~8分です。
運賃は乗車券のみなのでかなり料金を抑えることができますし、乗車時間も1時間半ほどで、それほど大幅に時間がかかるわけでもありません(ただし、糸崎駅での乗り換え時間を含めると2時間近くかかる場合があります)ので、少しでも時間を節約したいというのでなければ、山陽本線での移動も十分に現実的な選択肢です。
また、移動ルートとしては一般的ではありませんが、広島駅から呉線を経由すれば、観光列車と同じように海の景色を楽しむことができます。その場合は、広島駅から呉線・広行きの電車に乗車し、広駅から糸崎行きで糸崎まで行きましょう。先ほどと同じく、糸崎からは福山行きや岡山行きで尾道まで行きます。ただし、呉線を利用する場合は、観光列車と同じく3時間近くかかります。
広島駅→<山陽本線>→尾道駅
所要時間 1時間半弱(乗り換え時間・待ち時間は考慮せず)
料金 1,520円
バスを利用
広島・尾道間は、新幹線や電車以外にも、広島と尾道・因島を結ぶ「フラワーライナー」という高速バスでの移動が可能です。
フラワーライナーは、広島交通、中国バス、本四バス開発、因島バスの4社で運行されており、1日11往復の便があります。
所要時間は約1時間半、運賃は広島から尾道駅前までで片道2,000円、往復3,400円です。
ただし、この高速バスは、広島駅発ではなく、広島バスセンター発のため、広島駅から乗車することはできません。
バスセンターは、広島駅から2kmほど離れています。徒歩だと30分くらいかかるため、広島駅が起点の場合は、路面電車か路線バスでいったん広島バスセンターに向かうことになります。
広島駅から広島バスセンターまで、路面電車だと約15分、バスだと約13分かかります。料金はどちらも220円です。
広島駅を起点にされる場合は、広島バスセンターまで行く時間とお金がかかりますが、逆に言えば、バスセンターがある紙屋町周辺を起点にされる方は、電車や新幹線に乗るために広島駅まで行く必要がなく、ドアツードアで尾道まで行くことのできる高速バスが便利かと思います。
フラワーライナーの詳細については、運行会社各社の公式サイトを参照してください。
▷ 広交グループ フラワーライナー
▷ 中国バス 尾道・因島~広島(フラワーライナー)
▷ 本四バス開発 高速乗合バス因島・向島・尾道 ⇔ 広島線 [フラワーライナー]
広島駅→<路面電車または路線バス>→広島バスセンター→<高速バス>→尾道駅
所要時間 約1時間45分(乗り換え時間・待ち時間は考慮せず)
料金 2,220円
まとめ
広島駅から尾道駅までのアクセスについて、新幹線、観光列車、在来線、高速バスでの行き方と所要時間・料金を紹介しました。
新幹線を利用する場合、最寄りの新尾道駅を利用するか、新尾道駅の前後の福山駅や三原駅を利用するかによって、料金にも所要時間にも違いが出てきます。
移動を急ぐ必要がなく、スケジュールが合えば、瀬戸内の景色を堪能できる観光列車で移動自体を楽しむのも一興です。
料金の安さを優先するなら在来線が一番ですし、広島側の起点が広島駅でない方は、高速バスを検討されてもよいでしょう。
広島・尾道間の移動は選択肢が多いので、この記事を参考に、納得のいく移動手段を見つけていただければ幸いです。
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